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保険差益の圧縮記帳

2016/05/27 カテゴリー: 法人税/消費税 What's New

1.はじめに


 日本は災害の多い国です。阪神淡路大震災(平成7年)、新潟県中越地震(平成16年)、
東日本大震災(平成23年)などは、皆様の記憶にも新しいところだと思います。このような災害により法人の有する固定資産が滅失等し、一定の保険金等の支払を受けた場合には、その支払を受けた保険金等は、原則として、支払を受けた事業年度の益金に算入されます(法法22②)。しかし、保険金等の取得は法人の自発的な意思によるものではなく、また、保険金等に課税することにより代替資産の取得が困難となることもあるため、一定の要件を満たした場合には圧縮記帳を適用し、課税を繰り延べることができます。

2.圧縮記帳の内容


 法人が、各事業年度においてその有する固定資産の滅失等により保険金等の支払を受け、その事業年度においてその保険金等をもってその滅失をした固定資産に代替する同一種類の資産(以下「代替資産」といいます。)の取得をし、又はその損壊した固定資産若しくは代替資産となるべき資産の改良をした場合には、これらの固定資産について、圧縮限度額の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額するなど一定の方法で経理したときは、その減額した金額は、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます(法法47①)。
 また、法人が保険金等の支払に代えて代替資産の交付を受けた場合にも、その代替資産について、圧縮記帳の適用を受けることができます(法法47②)。

3.圧縮限度額


 圧縮限度額は、次の算式により計算した金額です。
(1)保険金等の支払を受けた場合(法令85)

1maekyou.png

(2)保険金等の支払に代えて代替資産の交付を受けた場合(法令87)

2maekyou.png

4.保険金等の範囲


 この圧縮記帳の適用対象となる保険金等とは、法人がその有する固定資産の滅失又は損壊(以下「滅失等」といいます。)により支払を受けた保険金、共済金又は損害賠償金で、その滅失等のあった日から3年以内に支払の確定したものをいいます(法法47①、法令84)。したがって、棚卸資産の滅失等により支払を受ける保険金等や、3年以内に支払が確定しなかった保険金等は対象となりません。

5.特別勘定経理


 保険金等の支払を受けた事業年度において、代替資産の取得又は改良をしなかった場合でも、その事業年度終了の日の翌日から原則として2年以内に代替資産の取得又は改良をする見込みであるときは、保険差益金の額以下の金額を特別勘定として経理し、その経理した金額を、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができます(法法48①)。

6.申告要件


 上記の圧縮記帳の規定は、確定申告書に損金算入に関する明細の記載がある場合に適用されます(法法47③、法法48④)。