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国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直しについて

2016/04/15 カテゴリー: 法人税/消費税 What's New

1. はじめに


平成27年度税制改正では、消費税法の改正として、国内外の事業者間の競争条件の公平を確保するという観点から国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について見直しが行われました。今回はその改正の全体像を整理します。

2. 「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し」の概要

「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し」における改正の概要は以下のとおりです。

(1) 電気通信利用役務の提供に係る内外判定の基準の見直し
                    (消法2①八の三、4③三)


 電子書籍・音楽の配信、広告の配信・掲載、クラウドサービスなどの電気通信回線(インターネット等)を介して行われる役務の提供を「電気通信利用役務の提供」と位置付け、その役務の提供が課税対象となる国内取引に該当するか否かの判定基準(内外判定基準)が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の住所等」に改正されました。
 例えば、国内事業者がインターネット広告を国外事業者に依頼していた場合、従来は「不課税取引」とされていたものが、改正により「課税取引」となります。

(2) 課税方式の見直し(「リバースチャージ方式」の導入)
        (消法2①八の四、5①、28②、45①一、改正法附則42)


 電気通信利用役務の提供については、「事業者向け電気通信利用役務の提供」とそれ以外のものとに区分されることとされました。
「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、役務の性質又はその役務の提供に係る取引条件等から、その役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいいます。
事業者向け電気通信利用役務の提供については、その取引に係る消費税の納税義務を役務の提供を受ける事業者に転換する、いわゆる「リバースチャージ方式」が導入されます。リバースチャージ方式は、当分の間、当該課税期間について一般課税により申告する場合で、課税売上割合が95%未満である事業者にのみ適用されます。
なお、事業者向け電気通信利用役務の提供を行う国外事業者は、その役務の提供に際し、役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務が課される旨を、あらかじめ表示する必要があります。


(3) 国外事業者から受けた「事業者向け電気通信利用役務の提供」以外の
 「電気通信利用役務の提供」に係る仕入税額控除の制限 (改正法附則38①)


 電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のもの(以下「消費者向け電気通信利用役務の提供」といいます。)については、当該役務の提供を行った事業者が申告納税義務を負うこととなりますが、国内事業者が国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合、当分の間、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されることとなりました。

(4) 登録国外事業者制度の創設(改正法附則39)

 上記(3)のとおり、国外事業者から消費者向け電気通信利用役務の提供を受けた国内事業者は、当該役務の提供に係る仕入税額控除が制限されますが、国税庁長官の登録を受けた登録国外事業者から受ける消費者向け電気通信利用役務の提供については、その仕入税額控除が可能となる制度が設けられています。

3. 適用開始時期

平成27年10月1日以後に行われる課税資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用されます。なお、登録国外事業者の登録制度は、平成27年7月1日から施行されています。

4. 継続的電気通信利用役務の提供を行っていた場合の経過措置

 国外事業者が平成27年3月31日までに締結した電気通信利用役務の提供で、平成27年10月1日前から同日以後引続き行う電気通信利用役務の提供については、利用契約の終了までは改正前の消費税法が適用されます。なお、月ごとに役務の提供を了している、又は、月ごとに契約を更新しているものと認められるものは、平成27年4月1日以後に毎月契約を行っていることになるため経過措置の適用はありません。

以上