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美術品等についての減価償却資産の判定

2015/12/18 カテゴリー:法人税/消費税What's New

1. はじめに


 平成27年1月1日以後取得する美術品等について、減価償却資産に該当するかどうかの判定に係る法人税法基本通達7-1-1の改正が、平成26年12月19日付で行われました。
今回は改正の内容を整理します。

2. 改正の背景

 改正前の通達の取扱いでは、(1)美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係る作品であるか、(2)取得価額が1点20万円(絵画にあっては号当たり2万円)以上であるかにより、美術品等が減価償却資産に該当するかどうかを判定していました。しかし、美術関係の年鑑等は複数存在しその掲載基準がそれぞれ異なるのではないか、また、20万円という金額基準は減価償却資産かどうかを区別する基準としては低すぎるのではないかといった指摘があったため、今回の改正が行われました。

3. 改正後の判定

改正後は、下記の流れに従って判定を行うこととされています。

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(1) 古美術品等の歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの
古美術品・古文書等は「時の経過によりその価値の減少しないもの」であることが明らかであることから、改正前の取り扱いを変更することなく、非減価償却資産に該当します。


(2) 上記(1)以外の美術品等
 上記(1)以外の美術品等で、取得価額が1点100万円以上のものについては、非減価償却資産に該当します。  なお、100万円以上の古美術品等でも、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」は除かれます。

※時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの
「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」には、例えば、次に掲げる事項の全てを満たす美術品等が挙げられます。

・ 会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること。
・ 移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであること。
・ 他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものであること。

米国デラウェア州法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(LPS)は日本の租税法上の法人に該当するとした最高裁判決

2015/12/01 カテゴリー:所得税What's New

はじめに

平成27年7月17日、最高裁は、米国デラウェア州法に基づいて設立されたリミテッド・パートナーシップ(LPS)は、日本の租税法上の法人に該当すると判決を下しました。

今回はその判断基準を紹介いたします。


1. 概要

判決の対象となった事案の概要は以下のとおりとなります。
(1) 複数の個人(以下「本件出資者」という)が、デラウェア州改正統一リミテッド・パートナーシップ法(以下「州LPS法」という)に基づいてパートナーシップ契約を締結し、リミテッド・パートナーシップ(以下「本件LPS」という)を設立した。
(2) 本件LPSは、米国所在の中古集合住宅を購入し賃貸事業(以下「本件不動産賃貸事業」という)を行っていた。
(3) 本件出資者は、本件不動産賃貸事業の建物に係る減価償却費を必要経費として計上することなどにより不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額を他の所得の金額から控除できると主張。
(4) 所轄税務署長は、本件不動産賃貸事業により生じた所得が不動産所得に該当せず、他の所得と損益通算できないと主張。

2. 争点
本件LPSが行う本件不動産賃貸事業により生じた所得が、本件LPS又は本件出資者のいずれに帰属するかが争われました。

3. 判断基準
最高裁は外国法に基づいて設立された組織体の行う事業により生じた所得の帰属について、当該組織体が日本の租税法上の法人に該当するか否かで判断することとし、その判断基準について以下のように示しています。(抜粋)

『外国法に基づいて設立された組織体が所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを判断するに当たっては、まず、より客観的かつ一義的な判定が可能である観点として、
(1) 当該組織体に係る設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから、当該組織体が当該外国の法令において日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かを検討することとなり、これができない場合には、
次に、(2)当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かを検討して判断すべきものであり、具体的には、当該組織体の設立根拠法令の規定の内容や趣旨等から、当該組織体が自ら法律行為の当事者となることができ、かつ、その法律効果が当該組織体に帰属すると認められるか否かという点を検討することとなるものと解される。』

すなわち、(1)当該組織体が日本法上の法人に相当する法的地位を付与されていること又は付与されていないことが疑義のない程度に明白であるか否かという1つ目の基準と、これで判断できないときは(2)当該組織体が権利義務の帰属主体であると認められるか否かという2つ目の基準で、法人該当性を判断することとしています。

4. 最高裁判決の結論
最高裁においては、上記3.(1)と(2)の判断基準をあてはめて本件LPSが所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当するか否かを次のように結論づけています。

(1) 本件LPSは州LPS法によって「separate legal entity」となると定められているが、そのことをもって、本件LPSに日本法上の法人に相当する法的地位が付与されているか否かを疑義のない程度に明白であるとすることは困難である。
(2) そこで、本件LPSが法人該当性の実質的根拠となる権利義務の帰属主体とされているか否かについて検討するに、州LPS法は、リミテッド・パートナーシップにつき、営利目的か否かを問わず、一定の例外を除き、いかなる合法的な事業、目的又は活動をも実施することができる旨を定めるとともに同法若しくはその他の法律又は当該リミテッド・パートナーシップのパートナーシップ契約により付与された全ての権限及び特権並びにこれらに付随するあらゆる権限を保有し、それを行使することができる旨を定めています。

このような州LPS法の定め等に鑑みると、本件LPSは、自ら法律行為の当事者となることができ、かつ、その法律効果が本件LPSに帰属するものということができるから、権利義務の帰属主体であると認められる。


以上からすると、本件LPSは権利義務の帰属主体と認められ、所得税法2条1項7号等に定める外国法人に該当し、本件不動産賃貸事業により生じた所得は本件LPSに帰属するものと認められる。
従って、本件出資者は、本件不動産賃貸事業による所得の金額の計算上生じた損失の金額を各自の所得の金額から控除することはできないというべきである。

今後日本における投資家が、米国デラウェア州法に基づいて設立されたLPSを用いて投資をする場合、日本の税制上は「法人」への投資を前提として様々な税務上の課題を検討していく必要があります。


以上

2015年12月1日

相続税の計算・申告・納付 (1)

2012/10/18 カテゴリー:相続税What's New

◆ 相談内容
   主人に相続が発生した場合、相続税はいくらくらい支払うことになりますか?
   主人の財産は約2億円で、相続人は私と娘ひとりです。

◆ 回答
   遺産額が2億円で、奥様とお子様1人が相続した場合の税額は、1,250万円です。
※早見表の前提条件
   亡くなられた方の財産をご家族の方が法定相続分どおり引き継ぐ(配偶者が財産の1/2、子供が財産の1/2を引き継ぐ)ものとして税額を算出しています。

◆ 解説
   「早見表」を使うと、遺産総額と家族構成別の相続税額を把握することができます。一般的には、相続人の数が多いほど相続税額が低くなります。
   また、配偶者が財産を引き継ぐか否かによっても、相続税額が異なってきます。
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※平成24年9月現在の税制に基づき計算しています。
※税負担率は、相続税額が引継ぐ財産の総額の何%になるかを表した数値(小数点第
  2位以下を切り捨て)です。

[PDF]

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