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被相続人が老人ホームの入所中に死亡した場合の自宅の敷地に係る小規模宅地等の特例

2016/02/05 カテゴリー:相続税

1 はじめに


被相続人が居住していた家屋の敷地について、小規模宅地等の特例を受けるためには、相続開始の直前において、その家屋にその被相続人が居住していたことが適用要件の一つとなっています。
しかし、被相続人が老人ホーム等へ入所したために居住していた家屋が空き家になる場合があります。
このような場合におけるその空き家となった家屋の敷地については、一定の要件のもと、被相続人が居住していた場合と同様にこの特例を受けることができます。
この要件は、平成25年度の税制改正により、平成26年1月1日以降の相続又は遺贈により取得する財産の相続税について要件が緩和されることとなりました。

2 改正後の要件


(1) 相続の開始の直前において要介護認定又は要支援認定等を受けていた被相続人が養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、サービス付き高齢者向け住宅等に入居又は入所していたこと
または、相続の開始の直前において障害支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設又は共同生活支援を行う住居に入所又は入居していたこと
(2) 被相続人が(1)の入所後に、宅地等を事業(貸付けを含む)の用又は新たに被相続人等以外の者の居住の用に供していないこと

(ご参考)改正前の要件
① 被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、老人ホームへ入所することとなったものと認められること
② 被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていたこと
③ 入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと
④ その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと

   

3 まとめ


被相続人が老人ホームに入居した場合の自宅の敷地に係る小規模宅地等の要件については、改正前の②及び④の要件が緩和されたこととなります。

従業員等に報奨金などを支給した場合の取扱い

2016/01/22 カテゴリー:所得税What's New

1. はじめに


従業員等に報奨金を支給した場合、その報奨金が所得税法の何の所得に該当するのか、また源泉徴収が必要なのかの判断が必要になります。そこで、所得区分に分けて判断のポイントを整理します。

2. 給与所得に対する源泉徴収


 会社や個人が、人を雇って給与を支払う場合には、その支払いの都度支払い金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引くことになっています。そして、差し引いた所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。
 給与所得とは、使用人や役員に支払う俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有するものをいいます。役員や使用人に支給する手当も原則として給与所得になります。また、食事の現物支給や商品の値引販売など物や権利その他の経済的利益を持って支給される現物給与についても原則として給与所得の収入金額とされます。

3. 使用人等の発明に対して報奨金など支給した時の所得区分


 国税庁のタックスアンサーでは使用人等の発明に対して報奨金などを支給した場合、それぞれの所得区分は次の様に取り扱われる旨が記載されています。
 給与所得として取り扱われるものは支給目的が「通常の職務の範囲内である場合に支給されるもの」となっています。


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4. 源泉徴収が必要な報奨金


(1)給与所得
 報奨金を支払う際に、支払う要件が「通常の職務の範囲内」で行われるものである場合は「給与所得」となり、給与所得の収入金額に含める必要があります。そのため、源泉徴収の対象となります。
 なお、現金の代わりに商品券で支給した場合も金銭による支給と異ならないため、給与所得の対象となると考えられます。
(2)雑所得
 給与所得には該当しない場合でも、「原稿の報酬」や「著作権の使用料」など原稿の報酬その他の報酬又は料金に該当する場合についても原則として源泉徴収が必要になります。


中国勤務者の給与に対する取扱い

2016/01/08 カテゴリー:国際税務What's New

■質問


日本の親会社である当社は、使用人A氏を2年間の予定で中国の子会社に出向させる予定です。A氏に対する給与は中国現地法人より支払われますが、現地法人の給与水準が低いことからその補てんのため、当社が国内で留守家族に対して給与を支払います。
この場合、日本払い給与(留守宅手当)に対し所得税は課税されるのでしょうか。
また、法人税法上、当該給与は損金の額に算入できるのでしょうか。

■回答


A氏の勤務が中国(国外)で行われるのであれば、たとえその給与が日本より支払われる場合であっても日本の所得税は課税されません。
また、法人税法上、出向元法人(日本親会社)が出向先法人(中国子会社)との給与条件の格差を補てんするために留守家族に対して支給した給与の額は、出向元法人の損金の額に算入できるものとされています。

■解説

1. 所得税法上の検討

(1)居住形態の確認
所得税法上、個人は「居住者」と「非居住者」に区分し、さらに「居住者」については、「永住者」と「非永住者」に区分されます。
海外での勤務期間が1年未満の予定の場合には「居住者」として取り扱われますが、日本を1年以上の予定で離れる場合、出国した日の翌日から日本の「非居住者」となります。

(2)所得税の課税範囲
 非居住者となった使用人に支払う給与や賞与については、その勤務が国内において勤務するものが国内源泉所得とされ、日本で所得税及び復興特別所得税が課税されることとなります。
一方で、非居住者となった使用人の海外勤務に対する給与や賞与については、支払いが国内、国外を問わず、日本で所得税及び復興特別所得税は課税されません。
本件の場合、A氏の勤務が中国において行われたことに対して支払われる給与や賞与であれば、たとえ日本国内の留守家族に支払われる給与であっても国内源泉所得には当たらないため、日本において所得税及び復興特別所得税は課税されないことになります。

2. 法人税法上の検討

出向元法人が出向先法人との間の給与の差を負担する場合、両社の給与条件の格差を補てんするものとして合理性があるもののみ、出向元法人の損金の額に算入されます。その具体例として、出向先法人が経営不振等の理由で支給できない賞与や、出向先が海外であることにより支給する留守宅手当などがあります(法人税基本通達9-2-47)。

本件の場合、当該負担金が留守宅手当程度のものであることから、法人税法基本通達9-2-47における(注)2に該当するものとされ、「出向元法人が出向先法人との給与条件の格差を補てんするために出向者に対して支給した給与の額」として日本親会社の損金に算入できるものと考えられます。

(参考)
法人税法基本通達9-2-47:出向者に対する給与の格差補てん

 出向元法人が出向先法人との給与条件の格差を補てんするため出向者に対して支給した給与の額(出向先法人を経て支給した給与も含む。)は、当該出向元法人の損金の額に算入する。
(注)出向元法人が出向者に対して支給する次の金額は、いずれも給与条件の格差を補てんするために支給したものとする。
 1. 出向先法人が経営不振で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
 2. 出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額

                                  以上

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